「車を売るだけなのに、あとから税金がかかるなんて…」そんな不安を感じたことはありませんか?
生活費を抑えつつ、効率よく車を乗り換えたいと考える方にとって、車の売却にかかる税金の知識は見逃せません。
この記事では、知らないと損をする税金の仕組みをやさしく解説しています。手続きや注意点を押さえれば、スムーズかつ安心して売却できます。


- 車の売却と税金の基礎知識
- 車の売却と所得税の関係
- 車の売却と確定申告の関係
- 車の売却と自動車税の関係性
- 車の売却と消費税の関係
車売却時に知っておきたい税金の基礎知識
車を売るときには、思わぬ税金が関係してくることがあります。損をしないためにも、売却時にかかる税金の種類や仕組みをしっかり理解しておくことが大切です。
売却した車にかかる税金の種類とは
車を売却すると、状況によっていくつかの税金が関係してきます。
車の売却と関連する税金
- 所得税
- 自動車税
- 消費税 etc
たとえば、個人が自家用車を売って利益が出た場合、その利益が50万円を超えると所得税の対象になる可能性があります。また、処分する時点でその年の自動車税を支払っている場合、月割りで還付される仕組みもあります。(売却の場合は自動車税還付はありません)
さらに、業者や法人として車を売る場合には、消費税の扱いも考慮する必要があります。
こうした税金の種類をあらかじめ把握しておくことで、思わぬ出費や手続きの手間を避けることができます。
所得税がかかるのはどんな場合?
車を売ったときに所得税がかかるのは、売却によって利益が出た場合です。たとえば、100万円で購入した車を120万円で売ったとすると、その差額の20万円が課税対象になります。
ただし、一般的にマイカーの売却では利益が出るケースは少なく、ほとんどの場合は非課税です。とはいえ、高級車や希少車を売却する際には注意が必要です。
自動車税は売却後も払う必要があるのか
車を売却した後でも、自動車税の支払い義務が残っていることがあります。なぜなら、自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課せられるためです。
たとえば4月2日以降に売却した場合、その年度分の自動車税は原則として支払う必要があります。
手続きの遅れによって払い損になるケースもあるため、売却後は速やかに名義変更や抹消登録を済ませることが大切です。
名義変更と税金の関係を確認しよう
車を売却した際に名義変更を行わないと、税金のトラブルが発生する可能性があります。
なぜなら、毎年4月1日時点での名義人に自動車税が課されるためです。たとえば売却後に名義変更がされていないと、翌年度分の納税通知書が元の所有者に届いてしまいます。
こうした事態を防ぐには、売買契約が完了した後、速やかに新所有者の名義へ変更することが重要です。手続きを忘れると税金を二重で支払うリスクがあるため、注意が必要です。
車を売却すると所得税はかかる?課税条件をチェック
車の売却で得たお金に税金がかかるかどうかは、売却方法や利益の有無によって変わります。損をしないために条件を確認しましょう。
車を売って得たお金はすべて課税対象?

車を売って得たお金がすべて課税対象になるわけではありません。
課税されるのは、売却によって利益が出た場合に限られます。たとえば、購入価格よりも高く売れた場合、その差額が50万円を超えると課税対象になる可能性があります。
ただし、自家用車の場合は非課税扱いとなるケースが多く、通常は課税されません。
とはいえ、事業用として使っていた車や高額な売却など、条件によっては申告が必要になるため、事前の確認が大切です。
親族間での売買は課税対象になるのか
親族間で車を売買した場合でも、一定の条件を満たせば課税の対象になる可能性があります。
たとえば、通常の市場価格よりも著しく安い金額で取引された場合、その差額が贈与とみなされて贈与税の対象になることがあります。
特に年間110万円を超える価値のある車を親から子へ名義変更した際などは注意が必要です。税務署に疑われないためにも、売買契約書を残し、相場に近い価格での取引を行うことが安心につながります。
売却益の申告を忘れるとどうなるか
車を売却して利益が出たにもかかわらず申告を忘れると、ペナルティを受ける可能性があります。たとえば、50万円以上の利益が出ている場合に申告漏れがあると、加算税や延滞税が課されることがあります。
金額によっては税務署から調査が入り、故意の隠ぺいと判断されれば重加算税が科されるケースもあります。申告を正しく行えば、必要以上の出費やトラブルを防ぐことができます。売却後は早めに税務処理を確認しておくと安心です。
車売却後の確定申告が必要なケースと不要なケース
車を売ったあとに確定申告が必要かどうかは、売却の内容や利益の有無によって変わります。申告対象をしっかり確認しましょう。
確定申告が必要になる売却パターンとは

車を売却して確定申告が必要になるのは、利益が出た場合や事業用として使っていた車を手放したケースです。
たとえば、100万円で購入した車を150万円で売却した場合、その差額の50万円が利益となり、課税対象になることがあります。
また、フリーランスや個人事業主が経費計上していた車を売却すると、帳簿上の処理が必要になるため確定申告が求められます。売却内容によっては申告義務が発生するため、事前に税務署や税理士に相談するのがおすすめです。
確定申告が不要なケースとは何か
車を売却した場合でも、確定申告が不要となるケースは少なくありません。
たとえば、自家用車を購入価格よりも安く売却した場合、利益が出ていないため所得税の対象外となります。一般的な中古車の取引では、年数経過や走行距離により価値が下がるため、多くはこのパターンに当てはまります。
また、譲渡ではなく廃車やスクラップにした場合も課税対象とはなりません。売却額や用途によって判断が分かれるため、取引の記録を残しておくことが安心につながります。
年末調整では対応できない理由
車の売却による利益は「給与所得」ではなく「譲渡所得」に該当するため、年末調整では処理できません。
年末調整はあくまで勤務先が給与所得に関して行う手続きであり、個人的な資産売却による収入には適用されません。
自動車税が還付される仕組みと条件とは
中古車を売却する場合には、自動車税の還付はありません。では、自動車税の還付制度はどのような場合に適用されるのでしょうか。
自動車税が還付されるための条件とは
自動車税の還付を受けるには、普通自動車のナンバープレートを返納し、登録を抹消することが条件です。
これは一時抹消登録や永久抹消登録と呼ばれ、都道府県の運輸支局で手続きします。例えば、4月に税金を納めた場合、6月に抹消すれば7月以降の分が月割りで返金対象になります。
ただし、軽自動車には還付制度がありません。
手続きのタイミングが還付に影響する理由
自動車税の還付を受けるためには、車を手放す時期が大きなポイントになります。なぜなら自動車税は1年分を前払いで納める仕組みであり、月単位で未経過分が還付されるためです。
たとえば4月に納付し、7月に売却して抹消登録を行えば、8月分以降の税金が戻ってきます。つまり、1か月でも早く売却すれば、還付される金額が増えることになります。お得に手続きしたいなら、月末ではなく月の初めに動くのが得策です。
軽自動車は還付対象になるのか
軽自動車の場合、自動車税の還付は基本的に受けられない点に注意が必要です。普通車と違い、軽自動車税は都道府県ではなく市区町村が管理しており、還付制度が設けられていません。
たとえば4月に1年分を納めた後、6月に廃車にしても未経過分の税金は戻ってきません。つまり、軽自動車を売却しても税金面での戻りは期待できないのが実情です。
還付を受けるために必要な書類とは
自動車税の還付を受けるには、いくつかの書類を揃える必要があります。具体的には、車検証、ナンバープレート、印鑑、本人確認書類、そして「申請依頼書」が求められます。
特に注意すべきなのが、ナンバープレートと印鑑登録証明書の有無です。これらが揃っていないと手続きが進まず、還付金の受け取りが遅れる原因になります。面倒に思えるかもしれませんが、あらかじめ準備しておけばスムーズに進みますので、早めの確認が大切です。
ナンバープレート返納の流れを知ろう
自動車税の還付を受けるには、ナンバープレートの返納手続きが欠かせません。まずは運輸支局に車を持ち込み、廃車手続きを行います。このとき、ナンバープレート2枚、車検証、印鑑、本人確認書類が必要です。
窓口で手続きを済ませたら、「抹消登録証明書」が交付され、これを元に税金の還付申請が可能になります。なお、月末に手続きすると1か月分の還付を受けられない可能性があるため、月の前半に動くのが得策です。

自動車税の還付については、『中古車の販売・譲渡』は対象になりませんのでご注意ください。
消費税は車の売却に影響する?知っておきたいポイント
中古車を売る際、消費税が関係するかどうかは売却の方法や売主の立場によって変わります。以下でそのポイントを分かりやすく解説します。
車を売ると消費税はかかるのか
基本的に、個人が自家用車を売却する場合、消費税はかかりません。なぜなら、消費税が課されるのは事業として反復継続して車を販売しているケースに限られるためです。
たとえば、中古車販売業者や個人事業主が業務で使用していた車を売却する場合は、売却額に対して10%の消費税が課される可能性があります。
反対に、個人が一度限りで所有していた車を手放すだけであれば非課税となります。
個人と業者で消費税の扱いはどう違うか
車を売却する際、消費税の取り扱いは「個人」か「業者」かで明確に異なります。まず、個人が自家用車を一度だけ売却する場合、消費税は非課税です。
反対に、中古車販売業者などの事業者が車を販売する際には、消費税10%が売却価格に上乗せされます。たとえば、業者が100万円で車を売る場合は、消費税10万円を含めた110万円が請求額となります。
中古車の売却時に消費税が発生する条件
中古車の売却で消費税が発生するのは、主に事業者として販売する場合です。
個人が自家用車を売却する場合は消費税の課税対象外ですが、中古車販売業者が営業の一環として売却する場合は、売却額に対して10%の消費税がかかります。たとえば、業者が車を100万円で売った場合、その内訳には約9万円の消費税が含まれていることになります。
事業で使っていた車を売ると消費税は?
事業で使用していた車を売却すると、売却額に対して消費税がかかるのが原則です。
なぜなら、事業に使っていた資産の売却は「課税取引」にあたるためです。たとえば、法人が150万円で事業用車を売却した場合、約13万6千円(税率10%)の消費税が含まれる計算になります。個人事業主でも青色申告などで事業用として計上していた場合は同様に課税対象です。
消費税込みと税抜き価格の違いに注意
車を売却する際は、消費税込み価格か税抜き価格かを明確に確認することが大切です。なぜなら、税込価格には消費税が含まれており、実際の受取額に差が出る可能性があるからです。
たとえば、売却価格が110万円の場合、税抜価格は約100万円で、残りの10万円が消費税となります。個人での売却であっても、買取業者の見積書に「税込」か「税抜」かの記載があるかどうかをチェックすることで、後のトラブルを防げます。表示方法の違いが損得に直結するため、価格表示の確認は必須です。
ネットの検索Q&A
車を売却するときの税金に関して、ネット上でよくある疑問をピックアップし、わかりやすく解説していきます。
車を売ると税金が戻ってくるって本当?
実は、自動車税の還付制度があるため、一定の条件を満たせば税金が戻ってくる可能性があります。
たとえば、普通車を廃車してナンバープレートを返納すると、年度末までの未経過分の自動車税が月割で還付されます。具体的には、4月に支払った自動車税であっても、6月に手続きをすれば7月以降分が対象となります。
ただし、軽自動車にはこの制度が適用されないため注意が必要です。売却時期や車種によって還付の有無が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
個人で車を売った場合の税金はどうなる?
個人が自家用車を売却した場合、多くのケースでは税金は発生しません。なぜなら、日常的に使っていた車を売却しても、それは「生活用動産」と見なされ、所得税の課税対象外になるからです。
ただし、購入時より高く売れた場合、その差額が50万円を超えると「譲渡所得」として課税される可能性があります。たとえば、50万円で購入した車を100万円で売却した場合、課税の対象になる可能性があります。
とはいえ、中古車市場では値上がりすることは稀なため、一般的には心配不要です。
車の売却時の税金ってどうやって計算するの?
車を売却した際の税金計算は、「売却益=売却価格−購入価格−必要経費」の式を使います。たとえば、50万円で購入した車を80万円で売却し、5万円の整備費用がかかった場合、利益は25万円です。この金額が50万円以下であれば、基本的に課税対象外となります。
個人事業主が車を売ったときの税金は?
個人事業主が事業用の車を売却した場合、売却金額は原則として「事業収入」として課税対象になります。
たとえば、帳簿に30万円で計上していた車を50万円で売却すると、その差額の20万円が所得として扱われます。事業所得の一部として確定申告が必要になり、所得税や住民税に影響します。
売却時は、帳簿価格と売却価格をしっかり記録し、税務処理を正しく行うことが重要です。青色申告者は減価償却との関係も確認しましょう。
税金を未納のまま車を売っても大丈夫?
税金を滞納したまま車を売ることは法律上可能ですが、注意が必要です。未納の自動車税があると、名義変更の手続きがスムーズに進まないことがあります。
とくに車検証の変更や抹消登録に影響が出るため、購入者に迷惑がかかるケースもあります。実際、買い手が名義変更できずトラブルになる事例も報告されています。
売却前に未納税金がある場合は、早めに納付してから手続きを進めることが安心につながります。
車の売却時に関連する税金まとめ
車の売却時には税金がどう関わってくるかを正しく理解することが大切です。所得税や自動車税、消費税の扱いはケースによって異なり、特に50万円以上の利益が出る場合や事業用車の売却では申告が必要になります。
税金面の不安をなくしてスムーズな売却を進めるためにも、車の売却と税金の基本をしっかり押さえておきましょう。
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